満月に歩こう1・2

金ひかる『満月に歩こう』

この漫画は2巻まで多分打ち切りになったんだと思います。
今手元にある2冊も古本屋で手に入れたものですし。
でも内容が凄くいいんです。
織田信長が天下を取る少し前の歴史をアレンジしたないようで、
でも歴史にはだいたい沿って進んでるみたいです。
あまり日本史に疎いテラでもたのしめました。
ただ3巻がないのがおしいです。
ただこの作品の話のなかでとても大好きなシーンがあるので、
何度も読みなおしてしまいます。
めっちゃくちゃ話を端折りますが。
幼い頃に出会った助四郎(八神彦)に会いたくに来た勢理姫。
会える嬉しさとは別に、胸騒ぎが止まらない勢理姫は、
助四郎に渡した番いの石と自分の石をたどって着いた先で、
八神彦が正当防衛のためとはいえ人を斬ってしまったと耳にする。
そして戸を開けて出てきた八神彦を前にして、
勢理姫は道の真中に膝をつけて頭も下げて座り込んで祈るようにするけど、
八神彦には勢理姫には気づかずすり抜けてしまう。


「やっと…やっと助四郎君の所に来れたのに、これじゃ会えた事にならないじゃない…。
いくら私から助四郎君が見えても、助四郎君から私が見えてなきゃ、
お互いが見えてなきゃ、こんなの会えた事になんか、ならないじゃない…」


と勢理姫が涙をながしながら叫ぶシーンが悲しくて切なくて読むたびに心がキューッとします。


2005/4/26

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